コラム:黒田日銀に追加緩和を迫る2つの「ずれ」=上野泰也氏
2014年 03月 20日 11:01 タオバオ代行
<日本株がいったん売られる可能性>
最後に、上記の内容で追加緩和が実施された場合の、各市場への影響を考えておきたい。
債券市場にとっては、若干の買い材料だろう。日銀の既定方針通りに毎月7兆円強のペースで長期国債を買い入れていった場合に見込まれる、いわば自然体の14年末の残高が200兆円なので、その数字が追加緩和でオーソライズされれば、14年末の残高を190兆円に抑制しようとして毎月の買い入れ額が減らされる可能性は、基本的にはなくなる。
また、長期金利の急上昇局面で日銀が市場介入的に買い入れ額を機動的に増やす余地も広がることになる。ただし、日銀が買い入れる国債の平均残存期間があまり長くならないようにする調整の関係で、10年超の長期国債の買い入れ額が減らされる可能性は残る。
株式市場にとっては、その時の追加緩和内容の織り込み度合い次第の面が大きい。ETFの買い入れ額の倍増は、事前に市場で織り込まれていなかった場合は、素直に好感される買い材料だろう。逆に、すでに十分織り込み済みになっていた場合は、サプライズが欠如する中でのポジション手じまいで、日本株はいったん売られる可能性がある。
為替市場にとっては、マネタリーベースの増額ペースが現在と同じであれは、基本的には材料としてニュートラルと受け止められるだろう。あとは、上記の日本株の上下動にらみで、ドル円相場は動くことになると予想される。
*上野泰也氏は、みずほ証券のチーフマーケットエコノミスト。会計検査院を経て、1988年富士銀行に入行。為替ディーラーとして勤務した後、為替、資金、債券各セクションにてマーケットエコノミストを歴任。2000年から現職。
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